野球の未来

野球×科学

#19 [コラム]心技体の順番

よく心技体が全て揃ってこそ一流のアスリートということを耳にするかと思いますが、この3つの重要度に順番をつけるとしたら皆さんは何が一番初めに来ますか?

僕自身は「体」が一番大事だと感じています。それはアメリカに来てからより一層強く感じるようになりました。アメリカの大学野球の試合を観ていると、平気で1試合に3, 4本ホームランが出ますし(もちろんピッチャーのレベルがそこまでというのもありましたが)、145kmのストレートを逆方向にホームランを打つところを観た時はある意味ショックを受けました。プロや社会人レベルならまだしも、アメリカの中でも中堅レベルの大学の試合でそんなことが起こるなんて本当にびっくりしました。その理由を考えるとやはりどう考えても体のサイズの違いに行き着きます。ここで勘違いしてほしくないのは、アメリカ人が元々生まれながらにサイズが大きいわけではないということです。もちろん日本人に比べると平均的に体が大きいことは事実ですが、それ以上に彼らはウエイトトレーニングを中心とした体づくりに本当に熱心に取り組んでいます。一方で日本のアマチュア野球を見てみると、どちらかというと「技」に対して熱心に取り組む中で、体作りに対してはそこまで正しい知識が浸透しておらず、意識も高くないように感じます。極端に走り込みにこだわりがあったり、ほぼ米で埋まっているタッパ飯を食トレとして行っていたり、まだまだ改善できる余地があります。特に高校野球は専門のトレーナーをつけられるような学校が少ないこともあって、甲子園大会を見ていても全国レベルの学校ですら線の細すぎる選手を多数目にします。自分としては、特に冬場は連ティーやポール間ダッシュなんかよりも、ウエイトトレーニングと正しい食事管理にもっと重点を置いて欲しいなと思う次第です。

 

<個人的に考える心技体の重要度(高校野球選手の場合)>

50%: 体

30%: 心

20%: 技

 

全く何の根拠もないけれど自分の経験を基に考えると、しっかりした体と強いメンタルがあれば技術なんてなくても高校レベルだと全国レベルの選手になれると思う。それより上のレベルになってから技術練習に力を入れても遅くないと思うし、高校生年代で一番怖いのは体ができていない状態で猛練習をこなすことによる怪我。

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