野球の未来

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#23 チームキャプテンの役割(スポーツ心理学)

今回の記事は全くの専門外であるスポーツ心理学を題材にしたいと思います。というのも、つい先週終了した大学院の学期で取っていた授業がスポーツ心理学だったからです。正直に言って心理学にあまり興味はなかったのですが、必修の授業だったのでやむを得ず履修したという形です。

それでも授業内容は思いのほか面白くて、その中でも最終レポートとプレゼンの題材にもしたリーダーシップについては10数本の論文を読んだことで少しはアウトプットできるくらいの知識がついたと思うので、僕が書いたレポートの内容を基にして少し紹介していきます。

 

まず、リーダーシップはどうして必要なのかという疑問から僕のレポートはスタートします。これは端的に言えば、いいリーダーがいるチーム(グループ)はチーム目標を達成するためのまとまり(チームワーク)が良くなり、結果としてチームとしてのパフォーマンスが上がるからです。

ちなみに、ここでいうリーダーとはチームの”監督・コーチ”と”選手キャプテン”の両方を指しますが、僕は特に選手リーダーについてレポートを書いたので、ここから先の”リーダー”は選手間のリーダー(キャプテン)と認識してください。

リーダーシップはいくつかのカテゴリに分けることができ、これによりリーダーのチーム内での役割が明確にできます。役割は以下の通りです。

1) 選手とコーチ陣の間で潤滑油の役割を果たし、双方向の円滑なコミュニケーションを図る

2) チームとして活動する際に”リーダー”として振る舞う

3) メディア対応やチーム外の人たちと交流をするときにチームを代表をして行動する

1)と3)はなんとなくどういったことを言っているのか具体的にイメージができると思いますが、2)に関しては少しアバウトな表現になっています。ここを少し掘り下げてみます。

リーダーとしての振る舞いとは具体的にはミーティングを開いたり、チームのモチベーションを上げるような雰囲気を作ったり、チームの中の問題(例えばチームメート間の揉め事)を解決するよう図ったりといったことです。

これらのことをチームリーダーが正しく行っていくことでチームは良い方向に進んでいくことができると分かっています。ただここで一つ疑問なのは果たしてどれだけのチームキャプテンが一人でこれら全ての役割をこなせるのか、ということです。おそらくそんなキャプテンは日本中探しても数えるほどもいないでしょう。だからこそチーム内で複数のリーダーを置いておく必要があります。

キャプテンだけでなく、副キャプテンやパートリーダーなどがそのポジションに該当します。また、正式に役職が決まっている選手以外にも自然発生的に出現する、チームをまとめる役割を果たす選手もここでは”チームリーダー”に当てはまります。

チームリーダーが果たすべき役割の広さを考えると、チーム内のリーダーそれぞれが違う性格や特徴を持っているといいでしょう。例えば明るく陽気に振る舞える選手にモチベーションの部分をまかせ、コミュニケーション能力の高い選手に、チーム内の問題解決を任せると言った感じです。こうすることでチームがよりまとまりやすくなります。

 

ここまでがリーダーシップについての前半になります。次の記事ではどんなチームリーダー像がスポーツチームでは求められるのか、リーダーシップのスタイルについて書いていきたいと思います。それではまた。