野球の未来

野球×科学

#16 ウエイトトレーニング講座②

今回は前回紹介した3つのステージごと(筋肥大、最大筋力、パワー)に必要なトレーニングの種類について紹介します。知らない名前の種目もあるかと思いますが、気になれば調べてみてください。

1. 筋肥大

このステージでは全身の筋肉のサイズのボトムアップが必要になるので、比較的たくさんの種目をこなす必要があります。6-9種目ほどを全身バランスよく鍛えられるように割り振ると良いと思います。

(例)1: バックスクワット 2: レッグエクステンション 3: カーフレイズ 4: ベンチプレス 5: ショルダープレス 6: アームカール 7: トライセプス・エクステンション

ポイントは全身バランスよくトレーニングすることです。スクワットやベンチプレスといった大きな筋肉・複数の筋肉を鍛えられる種目をベースにしつつ、そのほかのひとつの筋肉だけをターゲットにした種目も交えながら上半身下半身に満遍なく刺激を与えられると良いと思います。

 

2. 最大筋力・パワー

最大筋力とパワーの段階では実施する種目の特徴はよく似てくると思います。その代わりに負荷・セット数・セット間休息で差別化を図るイメージで良いのではないかと個人的には解釈しています(もちろん本当は種目選択にももっと細かい違いがありますが、マニアックすぎるのでアマチュアレベルの野球選手であればそこまで区別する必要はないかなと思います。)。種目の特徴としては、よりダイナミックに体を動かす種目(ウエイトリフティングの種目)を取り入れることにあります。種目数も3-5種目ほどに絞って構いません。

(例)1: パワークリーン 2: パワーシュラッグ 3:フロントスクワット 4: ラテラル・ランジ 5: インクライン・ベンチプレス 6: ラットプルダウン

特に馴染みがないのが初めの2種目だと思いますが、これがウエイトリフティングの種目です。ウエイトリフティングでは全身の筋肉を爆発的に使って動作を完了します。野球のピッチングでもバッティングでも、同じように1~2秒の中で全身を使って動くので、ダイナミックな動きの中で筋肉を動かすことはとても大事な要素になります。ただ、正しいフォームで行わないと当然怪我につながりますし、正しい動きの習得が少し難しいことも事実なので周りに教えてくれるトレーナーの方がいない人は無理に行うのはやめておいたほうが良いと思います。

 

3. パワー

いわゆるウエイトトレーニングの種目としてはすでに上のセクションで書きましたが、パワーフェーズで特に必要となる別のトレーニングがあります。それがプライオメトリクス です。プライオメトリクスとは簡単にいうとある程度の高さのボックスに飛び乗ったり、メディシンボールを投げたりするトレーニングで、より爆発的に短時間で最大パワーを発揮するための運動になります。最大筋力フェーズで行ってももちろん構いませんが、マストではないです。ただパワーフェーズでは間違いなく必要と言えます。いくつかの種目をあげてみたいと思います。

(例)

上半身:プッシュアップ(腕立て)、ハンドクラップ・プッシュアップ、メディシンボール・チェストスローetc

下半身:スクワット・ジャンプ、ボックス・ジャンプ、ラテラル・ボックス・ジャンプ、スプリット・スクワット・ジャンプetc

回数とセット数は3-8回を3-5セットほどこなせれば良いと思います。回数を増やす場合はセット数を減らすことをお勧めします(10回・3セットなど)。